視覚探索における透明視の効果(Mitsudo, 2003)

  透明視に基づく情報が目標物を探す場面で役に立つかどうかを調べました. 以下の3条件すべてにおいて,探す図形(目標図形)は,構成要素(白と黒の正方形)の位置関係で定義されています.重要な点は,透明条件の目標刺激のみ透明視が起こる図形を用いている点です.この透明条件でのみ,目標刺激が見つけやすいことを以下のデモンストレーションで確認でき(ると思い)ます.これは透明視に基づく形態情報が目標物を探す場面でも役に立つことを示しています(下に続く).

透明条件(探してみる
目標図形妨害図形



統制条件(探してみる
目標図形妨害図形



統制条件その2(探してみる
目標図形妨害図形


  また,容易に検出可能な,輝度変化で定義される図形(統制条件)も,輝度変化が透明面によってもたらされていると解釈される刺激布置(透明条件)では探索は困難になります.これらのことから,透明視に基づく情報は視覚探索場面でも有効であると考えられます.

統制条件(探してみる
目標図形妨害図形



透明条件(探してみる
目標図形妨害図形


Reference:
Mitsudo, H. (2003). Information regarding structure and lightness based on phenomenal transparency influences the efficiency of visual search, Perception, 32, 53-66.


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