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認知心理学って?
研究テーマを紹介
  

研究テーマ,紹介します

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ストループ効果


 文字の インクの色 を声に出して読んでみましょう @とA,どちらが難しい?

@ 赤   

A  赤   

Aのように,文字とインクの色が違うと,難しくなります(=ストループ効果
文字情報が,インクの色情報の認知を 邪魔 (=干渉) をするためです

インクの色を認知するためには,文字からの邪魔を排除して,インクの色に
注意 を向けなくてはなりません( = 干渉制御)

ストループ効果の個人差を測ることで,さまざまな 注意機能の個人差 を測る研究をしています
うつ病や不安障害,特殊環境下などでの利用についても研究しています


このストループ効果は,脳トレでおなじみですが,
箱田研究室では,ストループ効果だけでなく,逆ストループ効果 にも
注目しています


逆ストループ効果 Pick up

 それぞれ 文字が表す色 を,下の色パッチ(ア,イ,ウ,エ)の中から選んでみましょう


@ 赤 青 黄 緑 

A  緑   



@の正解は,イ,ア,エ,ウ, Aの正解は,エ,ウ,ア,イ でした
Aの方が難しかったのではないでしょうか?

Aのように,文字とインクの色が違い,今度は,インクの色が,文字情報の認知を 邪魔 (=干渉)します

これが,逆ストループ効果 です



逆ストループ効果では,以下の特徴が見られることがわかりました

逆ストループ効果 と ストループ効果は 発達的特性が 異なっている
      (7歳から70代までの年齢を横軸にとると,ストループ効果は逆U字型になるのに対して,
      逆ストループ効果は50代以降は単調減少する)
20代の統合失調症患者群は 健常者群に比べて,逆ストループ効果が 大きくなる
逆ストループ効果は,統合失調症群の 「衝動の制御」 との関わりが 大きい
精神疾患患者の注意機能を検討する際,逆ストループ効果は,重要な指標となる。
      (ストループ効果は,精神症状尺度との関わりはみられない)
ADHD(注意欠陥・多動性障害)群は,健常者群に比べて,逆ストループ効果が 大きくなる
       (ストループ効果 では,違いは見られない)
海中の高圧下では 地上に比べ,逆ストループ効果が大きくなる



箱田研究室では,ストループ効果だけでなく,逆ストループ効果の個人差も一緒に測れる
新ストループ検査Uを開発しました(購入方法など詳しくは,こちらへ)



ストループ効果・逆ストループ効果 について もっと知りたい方は,以下の文献をどうぞ

●渡辺めぐみ・箱田裕司・松本亜紀 (2011). 「集団版新ストループ検査Tにおけるストループ・
   逆ストループ干渉率の発達的変化」 九州大学心理学研究 12, p.41-50.
●佐々木めぐみ・箱田裕司・山上龍太郎 (1993). 「逆ストループ干渉と精神分裂病−集団用ストループ,
   逆ストルー プテストを用いた考察−」 .心理学研究, 64, p.43-50.
●Song, Y. & Hakoda, Y. (2010). An asymmetric stroop/reverse stroop interference phenomenon in
   ADHD. Journal of Attention Disorders OnlineFirst, published on August 2.





変化の認知:追加と削除

 何かが無くなったとき(=削除)よりも,増えたとき(=追加)の方が,その変化
 気づきやすくないですか?
 (例えば,建物が壊されて無くなったときより,新しく建ったときの方が気づきやすい,など)
 
 それでは,下の絵の,真ん中のコーヒーカップから,@,A,B,C,
 それぞれ何が無くなって,何が増えたでしょうか?
 
 
 






 @,Aでは, “カップの取っ手” が無くなったり(@),増えたり(A)

 B,Cでは, “角砂糖” が無くなったり(B),増えたり(C) しています

 無くなるものや 増えるものの種類によっても,変化の気づきやすさは,変わります

 
 特に @,Aでは コーヒーカップの象徴とも言える 取っ手 が無くなったり,増えたりしており,
 コーヒーカップっぽさ (=典型性) が変わってしまっています

 このとき,人は 「ん?何か 変だぞ?」という  “違和感” を感じ, それが変化の気づきやすさに
 つながっていることがわかりました


 研究室では,いろいろな物(風景,事物など)に対する 変化の認知 について,研究しています
 参考キーワード:非対称性混同効果,違和感


生き物の変化の認知 Pick up

  箱田研究室では,生き物 (犬,猫,鳥,魚…など)に対する変化の認知についても
  研究しています
  
  ふつう,物や風景などは,追加の変化の方が気づきやすい (=追加優位) のですが,
  猫や鳥などでは,なんと 削除の変化の方が気づきやすい (=削除優位) ことがわかりました
  
    
  

  人間が 手や足などを失った猫や鳥に対して 「かわいそう(憐れみ)」 と思う感情
  削除の変化を気づきやすくしている ことが わかりました
  これは,他の 物や風景では見られない現象です



“変化の認知:追加と削除” について もっと知りたい方は,以下の文献をどうぞ

●内野八潮・箱田裕司・柴田真理子 (2005). 「変化の検出における追加・削除の非対称性と違和感」
心理学研究, 76, p.122-130.

●内野八潮・箱田裕司・山田奈津子 (2000). 「線画の再認記憶における非対称的混同効果」
心理学研究, 71, p.105-112.



感情(情動)と注意機能

 ショッキングなものや脅威的なもの(=不快な感情 を引き起こすもの)は,注意 をひきやすく,
 どんな状況でも見逃しにくくなります。
 (例えば,走っている 車の中からでも,事件や事故などの現場を 見逃しにくい,など)
                      
 何故そうなるのか,どういったメカニズムが働いているのか を研究しています。
 参考キーワード:attentional blink (注意の瞬き現象)





凶器集中(注目)効果

 犯人が 凶器 (ナイフ,拳銃など)を持っていると,その 凶器 に 注意 が向いてしまい (=注目) ,
 犯人の顔や服装などの記憶が悪くなってしまいます( = 凶器集中効果)
                           
 なぜ,凶器があると,記憶が悪くなるのか?
 どんな形の凶器でも,注目してしまうのか? などについて研究しています





感情(情動)と有効視野

 ショッキングなものや脅威的なものは,不快な感情を引き起こし,有効視野 (=事物を認知できる
 視野範囲)を 狭めてしまいます

 (例えば,森で恐ろしい熊に出くわしたとき,熊以外のものが見えなくなったり,わからなくなったりする)

      

 快な感情(楽しい,嬉しいなど)でも,有効視野は変化するのか?
 有効視野は,時間とともにどのように変化するのか? などについて研究しています





顔と表情の認知
 
 人は,表情を通して,いろいろな情報(その人が誰か?どんな気もちなのか?)を知ります
 それは,人とコミュニケーションをとる上で,とても重要なことです

 表情には 6つの 基本表情 と呼ばれる表情があります
 それは,

      
 です
 
 これらの表情は,万国共通 であると考えられています
 参考キーワード:ポール・エクマン (P. Ekman)
 
 顔から,どんな印象を受けるのか?(= 印象形成), どんな顔が覚えられやすいか?(=顔の記憶),
 どのようにして表情を読み取るのか?(= 表情認知) などについて研究しています





情動性知能 (EQ, 心の知能指数)

 「あの人,とても頭は良いけれど,人の気もちはわからないよなぁ‥‥」
 と思うことはありませんか?
 
 また,
 「学校の成績はそんなに良くないけど,あの子,人をまとめるのがとても上手だよね」
 ということはありませんか?
 
 
 それは,IQによる頭の良さ以外に,EQ (または,Emotional Intelligence; 情動性知能) による
 頭の良さがあると考えられるためです
 
 情動性知能とは,相手の気もち (=情動) をきちんと理解したり,自分の気もち (=情動) をコントロールしたり
 する知能です

 
 
 情動性知能と表情認知能力(=正確に,相手の表情が読み取れるか?)との関係を調べたり,
 情動性知能を測るテストを開発したりしています